新築する際に考える項目のひとつに、建物の構造は何がいいかな~?……という選択肢にぶつかります。
「日本は木造住宅が多いから私の家も木造でいいや……」と、何も知らずに決めてしまうより、それぞれの特徴を知ったうえで選択したほうが長い目で見ても後悔することが少なくなります。
ハウスメーカーの営業さんがおすすめすることは、その営業マンの利益になることを重視しておすすめしてきますので、非常に偏った情報になることがあります。
自分で情報を集め公平な目で見て考え、選択することが望ましいと思います。
建物の構造の種類
まず家の構造には大きくわけて、木造(W造)・鉄骨造(S造)・鉄筋コンクリート(RC造)鉄骨・鉄筋コンクリート造(SRC造)の4つに分かれます。
そしてさらに木造は「木造軸組み工法」や、2×4(ツーバイフォー)と呼ばれる「木造枠組壁工法」に分かれ、鉄骨造は「軽量鉄骨造」や「重量鉄骨造」に分かれます。
木造の「W」は木のWoodの頭文字で、鉄骨の「S」は鉄のSteelの頭文字をとり、鉄筋コンクリート造の「RC」はReinforced・Concreteの略で、鉄筋を中に入れ、強化した・補強した・増強したコンクリートという意味です。
鉄骨・鉄筋コンクリート造(SRC造)は主に高層ビルなどで採用される工法で、一般の住宅にはほとんど用いることがありませんのでここでは省略します。
住宅の構造にはこれらの種類があり、日本の住宅の多くが木造であることは、言わずと知れたことですが、木造を含め鉄骨や鉄筋コンクリートのメリット・デメリットを知った上でじっくりと選択したほうが良いと思います。
木造軸組み工法
柱と柱の上に梁を渡し、木材の骨組みの枠に筋交いと言われる斜めに支える木材で補強し強度のバランスをとっていく工法です。
日本古来からの伝統的な工法で「木造軸組み工法」とか「在来工法」などと呼ばれています。
新築の建築現場といえばよくこの工法で建築されているのを見受けますよね!
日本の建築で70%くらいはこの「木造軸組み工法」によって建てられていますので一番メジャーな工法ともいえるでしょう。
<メリット>
比較的間取りが自由に設計でき、建築費用がおさえられ比較的に安く建てることができるメリットがあります。
増改築が比較的容易にできることです。
<デメリット>
間取りの自由設計度が高いといわれますが、柱も仕切りの壁もない広い空間のある設計には限りがあります。
住宅カタログなどを見て、大きな窓のあるリビングや、リビングとキッチンが一体化した広々としたLDKにあこがれて、そのような家にしたい……と思っても木造軸組工法ではその住宅カタログのようにはいきません。ある程度の柱や壁が必要になってきます。
木造枠組壁工法(ツーバイフォー)
木造にはもうひとつの方法に2×4(ツーバイフォー)という工法があります。
この工法は海外の北米から伝わってきた工法で、2インチ×4インチ(縦5.08cm/横10.16cm)の角材を合板に付けたパネルを「枠」に貼りつけて天井・床・壁の6面の箱状の空間を作っていきます。
柱や梁という感覚ではなく、この「6面体の箱」を上に積んだり、横に並べたり、箱の壁の一部分をくりぬいて窓などを作って組み合わせて作る工法なのです。
日本古来の「木造軸組み工法」に対し、枠とパネルで支えあって構成するため「木造枠組壁工法」と言われています。
2000年以前はこの「ツーバイフォー(2×4)工法」の方が「木造軸組み工法」よりも地震に強く、気密性・断熱性に優れていると言われていましたが、建築基準法改正を経た現代ではほとんど差がなくなりました。
<メリット>
既定サイズの角材に合板を貼りつけたものを合わせて組み立てていく単純な工法なので職人技的な高度な技術は必要ないので軸組工法より低コストで建てることができるメリットがあります。
<デメリット>
「面」で支え「箱」の形で構成するため、壁をぶち抜いてリビングを広くしたり窓を大きくとったりすることができない……など間取りや設計の自由度が制限されてしまうデメリットがあります。
鉄骨造にもいろいろある?
鉄骨造は大きく分けて、厚さが6mm未満の鋼材を使った「軽量鉄骨造」と、6mm以上の鋼材を使った「重量鉄骨造」の鉄骨の厚さによる区別があります。
「軽量鉄骨造」は一般住宅でよく使われ、大手ハウスメーカーの鉄骨の家といったらこの「軽量鉄骨造」が多いです。
「重量鉄骨造」はビルや施設などで使われることが多いですね。
「鉄骨造」には「軸組工法」と「ラーメン工法」それに「プレハブ工法」という工法があります。
「軸組工法」とは
木造軸組み工法の材料を鉄に替えただけのことで、木造軸軸組工法の「筋交い」にあたるものを「ブレース」というので「ブレース工法」とも呼ばれたりします。
<メリット>
メリットは木造よりも「耐震性」が強く「法定耐用年数」が長い……ということくらいでしょう。
<デメリット>
木造よりも予算が高くなってしまうということです。
鉄骨造のメリットを最大限に生かすなら「ラーメン工法」がおすすめです。
「鉄骨ラーメン構造」とは
ラーメンとは、麺類のラーメンのことではなくドイツ語の「rahmen」という「枠」を意味します。
「軸組工法」は、たくさんの柱や壁や筋交いなどで支えて強度を強くしますが、「ラーメン構造」は柱と梁だけで強度を保つことができ、柱と柱の間隔を7m〜9mはあけることができますので、大きな窓や広々とした大空間のある間取りを作るには最適な工法です。
<メリット>
したがってラーメン構造の最大の魅力は、間取りの制約が少なく、かなり自由な間取りを実現させることができます。
コストは木造よりお高くなりますが、予算に余裕のある方は「鉄骨ラーメン構造」による大空間の開放的な住まいで、リッチな生活をエンジョーイされることをおすすめしたいです。
ラーメン工法では、軽量鉄骨よりも重量鉄骨の方がかなり自由な間取り空間が実現できますので、大きな吹き向けや広々とした空間などの間取りにこだわりがあるかたにおすすめです。
<デメリット>
そのかわり地盤にかなりの重量がかかるため地盤改良などの費用がかかることや材料費が高いことでけっこうな予算がかかるというデメリットがあります。
「プレハブ工法」とは
窓などが付いた壁などの部材を工場で作り、それを現場で組み立てて設置するだけで出来上がる工法です。
プレハブというと建築現場の簡易な小屋をイメージしますが、作り上げる行程そのものは同じですが、もっとしっかりした部材を使い家を組み立てる工法になります。
<メリット>
工場において部材が作られ現場で組み立てられるだけですので、大工さんや職人さんの技術力に頼ることも、作り手の経験や技術の差が出ることもありません。
それに現場で組み立てるだけですので、工期が非常に短く「あっ」というまに完成してしまいますので、人件費コストが抑えられることにもつながります。
また工場において部材が大量生産されるので、材料費のコストも抑えられることなどから低コストで家を建てるメリットがあります。
<デメリット>
同じものを大量生産するものなので、間取りなどの自由な設計ができません。
自分で間取りを考えるというよりは、完成されたプランの中から好みのものを選んで購入する……ということになります。
鉄骨造の工法を取り扱っているハウスメーカーは限られてきます。小さな工務店で取扱っているところは少ないようです。どんな工法ができる工務店・ハウスメーカーなのかを調べることが大事です。
自分の好みにあった建築会社・ハウスメーカーはある程度モデルルームなどに行けば3社くらいには絞れますが、それぞれに見積もりを出してもらって相見積りもりを取るのは実際とても大変で難しい部分があります。
ハウスメーカーもなかなかの上手で、そうされないようにプランニングの費用がかかってきたりします。
そこで知っておくとラクに比較できる持ち家計画という一括で相見積もりがとれるサービスを利用してしまうことをおすすめします。
自分の好みの間取りや生活プランなどのこだわりを入力するだけで、何社か自分にあった建築会社を紹介してくれて相見積もりをとることができます。
ハウスメーカーと直接やり取りするわけではないので押し売りもなく、自分の要望を公平な立場で選択してくれます。
家づくりに関して自分ではわかっているつもりでも、実際にわかっていないことが多いものです。ある程度ハウスメーカー選びのプロに寄り添ってもらいながら決めていく方が後々の後悔がなくなります。
一生に1度の買い物になるくらいの大きな買い物です。広い選択肢の中から自分にあった最適なハウスメーカーを選びましょう。
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